2020年2月8日(木
 西よりの風
 

天気予報で「明日の岩国は西よりの風が吹くでしょう」と言った。

 50年くらいのかなり昔から不審に思っていたのだが、人に聞くのも馬鹿にされそうで怖いので、ずっとわからないまま40年間船を操舵して来た。

 最近になって、わからないまま死んでいくのも嫌だからと、いろんな人に聞きまくった。

 半分の人が「風が西に寄るのだから、東から西に吹くのですよ」と言った。

 また、半分の人は「西より吹くから西から東に吹くのだよ」と言った。有名大学を上位の成績で卒業したという人にも何人か聞いた。賢い人たちは皆「すぐにはわからない」と言った。良かった。知らないのは私だけではなかった。

 有名大学を首席で卒業した人でさえ知らないものを、山間部の高校しか出ていない私などにわかるわけがない。安堵した。

 しかし、みんな知らないままでよく何十年もそのまま通しているものだ。それこそチコちゃんにしかられそうで、みんなも恥ずかしくて聞けないのだろうと思っていたら、ある人から、「ネットで調べたら、概ね西の方向から吹いてくる風のことだと書いてある」と返事があった。

 しかし、翌日にはそれを全部忘れ、「はて、どっちと言っていたかいなぁ」とまた悩む。2回も聞けないので自分で調べる。やっとのことで覚えた。

 しかし、気象庁の人もこの問題について異論は何十年も出ていなかったのだろうか

天気図を見ると、岩国の風の矢印が左に向いているが、下関は右に向いている。非常に難解だ。

気象予報士の資格はかなり難しいらしく、某有名キャスターも試験に1回滑ったと聞いている。東大や京大よりも難しい問題があるのかもしれない。なにしろ丁半賭博ではないが、未来を占うわけだから、いくら統計の合計を割って平均したものだから大体正しいとか言っても、いつも全然当たらない時もあるし、連続してよく当たるときもある。

第一、 この「当たる、当たらない」という言い方さえが大体あまり信用されていないということを証明していると思う。

ならば、天気予報は何のために大切な時間を割いてまことしやかにやっているのか、みんな適当にあしらっているのだろうと思ったりするが、またチコちゃんにしかられそうだから、いらぬことは言えない。

知らない人は知っているようなふりをして、にこにこしていた方が無難だ。だから何年たっても知らない人が多くいるのだろうなぁ