2020年3月26日(木)
マイ体温計

 中国武漢市に端を発した新型コロナウイルスの流行はとどまるところを知らず、世界中に拡散しており、WHOもついに「パンデミック」(世界的な流行)と認めた。

 何とかしなければいけないが、その道の専門家たちが夜も寝ないで新薬の開発に尽力しているはずだから、半年以内には完成するだろう。

 しかし、どんどん感染者が増え続けているわけだから、それまで座して見ているわけにもいかない。薬や注射は製薬メーカーに任せるとして、国民一人ひとりが自分で気を付けないといけない。

 アメリカのように、「自己責任」とは言わないが、自分の健康は自分で守らないと、もうすでに政府だけで、感染を止めることは不可能になっている。

 そこで、私の良い頭(私は頭の外観は良いのだか、中身がかなり乱雑で、いかんせん、親譲りとは言わないが、子供の頃から成績はいつも、ビリから数えて最優秀であった)で考えた提案として、国民各人は毎朝体温と血圧などを測り、記録してはどうだろう。

 そして、異常があればすぐに家族などに見せ、早急に対策を考えたら、最悪の状況は防げるかもしれない。

 かくいう私も、先日のこと、「少しきょうはえらい(方言で、体が苦しいの意味)なぁ」と感じたので、体温計で測ってみたら39度あった。

 うそだろうと思い、もう一回測ったら、39.1度である。

 「これはいかん」と思っていつもの病院に行ったら、「インフルA型」だといわれ、薬をもらって飲んだら熱が下がり、そのまま、その日も引き続き仕事をした。

 酒を一合飲んで早く寝たら、次の朝には完治していた。

 私の医者は優秀だ。医者が優秀と言うより、この風邪に最適な薬があるということで安心ができる。優秀な医者は、その薬を即座に探し出すことができるのだ。

 新型コロナウイルスのように正体が不明で、効く薬もないと「やれ、エイズの薬が効く」とか、「SARSウイルス薬のほうが良い」とか、「梅毒の薬なら強力だから、すぐ治る」などと街の雀たちは勝手なことを言い、果てはトイレットペーパーやティッシュペーパーの買いだめ、ひどいやつは大量に買い占めて、高値でイタリアに転売するなどしているとか、世も末だなぁと思ったりする。

 こんな悪い奴は昔だったら、市中引き回しの上、磔(はりつけ)、獄門にしていたのではなかろうか。

 話がずれたので元に戻すと、万一、高熱が出たら、医者に行けばよいが、高熱の出ない人もいる。

 それが私たち年寄りだ。熱の発散がうまくできない上、それぞれの既往の病気を抱えているため、いろいろな薬をいつも飲んでいる。このため余程のことがなければ熱が出ない。

 しかし、ある日、突然高熱が出たりする。どうにもならないものは、いくら有能な医者でもどうにもならない。

 寿命が切れた人の処置は医者より坊さんのほうが上手だろう。ドラッグストアで今のウイルス用の検査キットは、まだ売っていない。なので、簡単にできる方法としては、体温を毎日測ること。この習慣はウイルスのためというより、今の時代、いつ何が起きてもおかしくないので、常日頃から注意喚起のくせをつけておかないと、いつ何時、敵に後ろから『ブスッ』とやられるか分からないということだ。

 気を付け過ぎて失敗したということは、私の人生では未だないと記憶しているのだが。