コラム

47      エアバッグについて

エアバッグというのは正面(進行方向の左右15度以内に時速15キロ以上で硬いものにシャーシーが直接衝撃を受けたときに開くように設計されている)からぶつかった事故の時、火薬によって窒素ガスがハンドルの皮を突き破ってふくらむのです。

事故したら1000分の6秒後にはセンサーが感知して火薬に火をつける。1000分の30秒後には火薬が燃えて窒素ガスがバッグの中に充満して、バッグは膨らみ、1000分の60秒後には乗員は顔をエアバッグ中に突っ込んでエアバッグとしての仕事は終わり10分の1秒後にはバッグは横にあけてある穴からガスを放出してしぼみ始める。

いつまでも開いていては次の事故につながるからだ。1000分の30秒という非常に短い時間の中での事だからエアバックの中に顔を突っ込んだら強烈パンチを食らったようなものなのです。鼻血ブーになっちゃいます。だからちょっとぐらい事故っても開かない方がいいかもしれない。

薄い上等なレンズのメガネをかけている人はガラスが割れてしまって眼の中に入り大変なことになってしまったのを見た事が有る。第一エアバッグは事故した時一人しか乗っていなくても全席が開いてしまいます。そしてエアバックのセットはものすごく高いのです。

軽4輪で30万円から外車等は100万円以上する。おまけにバッグが開いた衝撃でフロントガラス(15万円から100万円位する)が割れるのでガラスの交換費用が追加される。その上に車の修理費用(バッグが開くぐらいの事故だと修理費用は普通は80万円以上かかる)だから合計すると修理代が200万円以上に成りどうしようもないほど大変だ。

渋滞などの時イライラが頭に来てハンドルをガンガン叩く人がいるがあれはやめよう。古い車によっては機械式の場合は衝撃で開いてしまう。殆どの車は電気式だからちょっと揺すったり叩いたりしたくらいでは開かないが機械式はハンドルを叩くだけで開く事が有る。

電気式はエアバッグを展開させるコンピューターが足元にネジで取り付けてあるのだけれど水没車などでの修理はこのコンピューターが水にぬれたかどうかが見ただけでは分からないし、テスター等で調べても正確には分からない。

バッグ本体は水没しても水は入いらないように日常防水程度にはなっているが(バッグの袋の生地はシートーベルトの生地と同じものなのだが、ただベルトより薄い生地が使用してあるので少しくらい水などでぬれても腐ったり溶けたりしない)コンピューターはただの10センチ四方のただの箱だし防水はされてはいないし結露などによる水ぬれの乾燥の為か隙間だらけのふたを開けたら中は電気配線は丸出しの状態で作ってある。

こんな雑な作りのコンピューター本体でも5万円から20万円位するのだが水をかぶったら良くても悪くても取り換えないと後日になって走行中にある日、有る時突然に誤作動してバッグが破裂するかもしれない。走行中突然破裂したのでびっくりして前の車に追突してしまったと言うのが何回か有った。

水没車を買うときは気をつけよう(というより、いくら安くても水没したと言っても少しだし、淡水だから乾いたら大丈夫と言われも水没車は買わない方がいい。エアバッグだけでなく、普通に走行していたらエンジンが突然停止したなんて事も何回も有った。川の水だから、海水ではないからと車両保険金だけもらって錆びているとこだけ取り換えてそれで修理完了などと言うのはあまりにリスクが高すぎる。

悪徳モータースの中には洪水で多量に発生した水没車を買い集めて専門に治し何回か他県のナンバープレートや名義を書き換えて過去の経歴を消し、人気のオークションに持って行って流す業者がいると聞いたがそんな車を買った人は後が大変だからあまり安すぎるのはやめた方がいいかもしれない。

名義変更にはお金がかかるが田舎では車庫証明が要らない所が多くあり、ナンバープレートと名義だけの変更の場合一万円かからない)事故をしたのにエアバッグが開かなかったと文句を言ってくる人がたまにいる。

私としては開いたら金がかかるので開かない方がいいかもよと言ったら今度大事故した時、開かなかったら死んでしまうかもしれないからここで一回開くかどうかやって見てもらいたいと言う人がいたが一度開いたエアバッグは再使用ができないし新品は絶対開くから安心ですと書いてある6年間の製品保証書は付いていないので開くかどうか検査することはできない。仕方がないので取りあえず他の廃車になっている車のエアバッグを強制的に開かせて見せてその状態や爆発音をお客さんに見てもらい、半分ごまかしのような状態で諦めてもらった事が有る。

その時の事だが車を15キロ以上でコンクリートの壁にぶつける役目をすることに付いて従業員にさせるわけにはいかないし、運転する人がだれも立候補しなかったので壊す車は提供するからお客さんにやってくれと言ったら「わしは嫌だ」というので仕方なく私がやろうかとも考えたが怪我をしたり後日問題が発生しても困るのでコンピューターに直接12ボルトの電気を入れて故意に爆発させた。

すごい爆音と白い粉が散乱してそれはそれは想像していたより激しいものだった。事故の時車内に多くの人がいたら、鼓膜が破れる人がいても可笑しくないなと感じた日であった。だから多くの人が乗るバスなどにはエアバッグが付いていないのだと初めて分かった。私個人としてはエアバッグよりシートベルトの改良の方を急いでもらいたいところだ。妊婦や相撲取りの人たちにはベルトは使えない。昔のシートベルトは2点式でただ腰を締め付けるだけであった。

だいぶ前だが確かボルボと言う会社が今の3点式のベルトを開発した。あの会社は多分世界一安全に気を使っていると思われる。と言うのは3点式のシートベルトを開発し、国際特許も取ったけれどその特許を公開し世界中の車のメーカーに特許の使用を無料で開放したからだ。素晴らしいと言わざるを得ないけれど情けないのはその後40年位も経つのに他のメーカーが未だにそれに代わるものを開発していないと言うことだ。

ラリーやレースに出る人たちは皆5点式のベルトを掛けている。5点式だと言っても別に大したことはない。幼児に掛けるベビーシートのあれとまったく同じものだ。零戦の飛行機乗りがパラシュートに使っていたからかなり昔からあるものだ。私はこの仕事を始めたころから思っているのだがなぜシートベルトが網にならないかと時々思う。

川の魚をとる投網(とあみ)と言うのが有るがあの網で捕った魚は全然傷がついていない。そろそろ誰かシートベルトを投網に改造してくれてもいい頃だ。40年以上も進化がない車の部品などワイパーとシートベルトぐらいのものだろう。シートベルトが網になったら乗り合いバスなどにも500人乗りの飛行機にも船などにも付ける事が出来、後ろ向きにもつけられるので追突のムチウチにも使えると思う。事故で膝を怪我する人が多いのだがこの問題も解決しそうだ。

網は多くの乗客を守る事が可能になってくると思うのだが誰かやる気の有る人はいないかなぁ。日本は長い事、安全と水はタダと言われて育って来たから日本人にベルトの開発を期待するのはむりかなぁ?しかし今現在自家用車の爆発的増加の為、車の事故が増加の一途を辿っている中国等に期待するのが本筋かもしれないがそれは難しい。と言うのは、かの国はシートベルトより大気汚染の問題が深刻になっており、その問題の解決が急がれる所だ。

また風向きの関係でPM2.5という中国政府自身も困っていると言う微粒子粉末が日本にも飛んできていると聞いた。で有ればあのボルボ社にでもお願いするしかないのかなぁ。誰かこれを読んでいる人の中でボルボの社長に知り合いがいたら頼んでみてくれないかなぁ。あの会社ならやってくれるかもしれないから。そしてまた3点式を開発した時のように特許を開放してくれたらほんとにうれしいと言うより多分日本車よりボルボの車の方が多く売れるかもしれない。

あの会社の車の造りが良いのは知る人は皆知っている。しかし値段も少しばかりだが良いと言う事も周知のとおりだ。やっぱりこういう事はスエーデン人かドイツ人にやってもらわないといけない。ボルボのパーソン社長さん、お願しますよ。空飛ぶ車は日本が作るから最新式のシートベルトはそっちでやってくれませんか?ちなみに愚鈍な私などが思うには生卵が割れるとき黄身の部分は殆どの場合なんともなっていないと言うことだが参考にはなりませんか?

 

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