コラム

80   喋る車

運転しながら相手車に警告したりする方法にはいくつかがある。それに使う道具としてはホーン、ライト、ウインカー、などが主であるが時として他のものも使う事がある。

人によっては実に色んなものをいろいろなところにつかうので面白いと思う事もある。少し見てみよう。まずホーンだが「ピッ」とみじかく一回は

@「道を空けてくれて有難う」などと感謝の気持ちをつたえるときAかなり遠慮がちに「車が来ましたよ」などと伝えるときBガソリンスタンドなどでは「誰かいないのか?」と人を探したりする。

「ピッピッ」と二回鳴らすのは一回より少し強調したい時だ。道をゆずってくれて有難うの気持ちと共に敬礼しながら鳴らす。後続車に感謝の挨拶をする場合はハザードランプを三回点滅させるのが今頃一般的になってきた。

三回ホーンを鳴らすのはほとんど相手車を警告する意味が強い。ながぁく鳴らすときは、喧嘩を仕掛けるときだ。霊柩車が出棺するときも長く鳴らすが、永遠の旅立ちを参列者に告げる意味で非常に意義深い。

あの音を聞くと故人にもう二度と合えないのだなと観念して諦められる。ウインカーを左に出すのは「お先にどうぞ」。高速道路でウインカーを右にだすのは「追い越しますよ」だがパッシングしながらだと「競争しねぇか?」の挑発行為だ。

ハザードとパッシングを同時にやると「ヨーイドン」の合図となったりするのでいろいろな使い方があるものだ「私は急いでいる」時はハイビームをピカピカさせながら蛇行運転を繰り返して追い越そうというジェスチャーをする。

「私は怒っている」の意思表示にはステレオを拡声器並に大きな音で鳴らす。時々いるが鼓膜が敗れそうなほど大きな音で演奏しながら窓あけたまま、恥ずかしいのかミラー0r真っ黒のサングラスなどかけてくわえタバコで悦に入っている若い人もいる。

また走りながらエンジンキーを4秒間ほど切りその間にアクセルを三回叩いてから再びエンジンキーを入れる。そうすると排気管の中に溜まっていた未燃焼のガスが瞬時に燃焼しマフラーの所から「ドカーン」と言うものすごい爆発音とともにロケットみたいに火を噴く。

皆が何事だろうと思って一瞬振り向くので面白がって何度でもやっている。しかしそのうち爆発圧力でマフラーが破裂して四万円取られてから馬鹿なことをしたものだと気がついてやめる。

やめない人たちもいる。この人たちはラリーをやっている人たちで、御存知とおもうがラリー車は1〜2メートル位空を飛ぶ事がある。着地したときに全パワーを出す為に開発されたのがミスファイアリングシステムといって例の「ドカーン」なのだ。

これを着地するたびにやるとギャラリーは面白がって喝采する。ラリーは大抵夜中にやる事が多いから火や音が良く見える。写真写りもいいから皆やる。車高を低くするのは「私はスピードを出しますよ」の表現。

尤もつけたスポイラーが低すぎてすぐ割れそうでスピードが出せない車も多い。大金かけてなんてこった。割れたフロンとスポイラーを見ると計算違いを皆から笑いものになる。それでも若い人はまたやる。

 

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