コラム

  68 男と女と嘘

女性はよく嘘をつく。誤解しないで戴きたいがあなたのことを言っているのではない。ごく一部の女性の話だ。始末におえないのは美しい人ほど、又親しいほど手の込んだ嘘をつくと言う事だ。

嘘も方便とか言うけれども騙されたのがばれたらたいていの場合、後から腹が立つ。腹を立てられないような嘘をついてくれたらそれはむしろ関係の潤滑になってとてもいいのだけれど、いつもそうとは限らない。

男も女もある程度の年齢になると嘘が調味料の役をしてくるので少しくらいの上手な嘘は有ったほうがいいのかもしれない。しかし普通の女は下手なうそつきが多い。すぐにばれる嘘を平気でつく。困った事だ。

可愛いと言ってしまえばそれまでだが余裕が無いときはそうも言っていられない。と言ってもおこるわけにもいかない。理由は男も時として嘘を言うからだ。男が女に対してつく嘘は女を幸せにしてやりたいと思ってつくうそが多いのだがその本意は殆んど分ってもらえない。

と言うのは男の場合大体女性とちかずく最初の過程でのことが多く、親密になったら男は余り嘘はつかない。騙されて幸せになる人もいれば、見破って不幸になる人もいる。どっち道最後まで聞かねば成らない嘘なら騙され続けた方が幸せかもしれない。

歌の文句ではないけれど沈む夕日は止められないと言うからなぁ。男みたいな女は概してあんまり嘘はつかない。口八丁、手八丁であるから嘘をつく必要が無いからかもしれない。反対に女みたいな男はよく嘘をつく。

色が白くてねちねちとしつこいタイプがそうだ。男であるゆえ可愛いと言う実感はわかない。約束をまもらないのと嘘をつくと言うのは結果は同じだがプロセスは随分違う。

約束を守れないのは結果であって最初から反故にするつもりでやくそくする者など殆んどいないだろうし、(未必の故意はあるかもしれないが)嘘は最初から騙すつもりなのだから動機からして罪深い。

尤も途中から嘘になってしまって修復が不可能になることもあるだろう。その場合誠意のある姿勢を持って対応すれば結果はどうなっても仕方ないのではないかと思ったりする。

嘘をつかないで済んでいた昔に帰りたいと思ったりするのはばかげた事だろうか。十五六の頃の自分は嘘には縁がなかった。好きな彼女を前にしたときは言葉を発するのが精一杯で将来を有利に展開するべく小細工をするなど考え付きもしなかった。

特に体育の時間のオクラホマミキサーのフォークダンスを踊るときは好きな彼女と手がつなげるだけで嬉しかった。このときはいつも舞い上がっていた。嘘をつくどころでは無い。万一口臭があったらいけないから息は止めていた。

手は震え、冷や汗をかいて目が点になり心臓が沸騰して口から泡を吹く寸前までになっているのだから嘘等つけるわけが無い。恋に嘘はつき物だと誰かが言っていたがいつの場合もそうだとはいえまい。

真面目な恋も若いうちは存在するからだ。いや若いうちの恋は皆真面目なのではないだろうか。何回かだまされていくうちに段々こすからくなってきてそのうちに恋がしぼんでいくものだろう。

美しいままで終わる恋なんてそんなにたくさんあるものではないと思ったりするのは私があまりに多く騙されすぎたからだろうか、、、、、、、、、?

次へ続く

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