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変な業界 車がへこんだり、事故に遭ったりした車を修理するところを板金塗装工場と言う。神田うの さんや美川憲一さんがテレビでカーコンビニクラブを随分宣伝してくれたお陰でこの業界も、市民権を得たと言うか大分知名度が上がってきた。 少なくとも車を売っているお店が板金をするのではなく、マージンをとって板金塗装店に下請けに出していると言う事が大衆の知るところとなり、そのおかげで当社も個人のお客さんが直接車を持ってきてくれる事が頻繁になった。 以前はディーラーの下請け仕事が非常に多かったから、数をこなさなければいけない、余り楽しくない仕事だった。しかし今頃はおじいちゃんから若い娘さんまで色んな人がやってきてそれこそ色んなことを言ってくる。 それを聞いているのが又楽しい。中には胃潰瘍になりそうなことをしつこく言い続ける人もいるのだが大体のお客さんは話していて楽しいことを言うものだ。板金塗装はむかしは板金と塗装に分かれていた。今では一箇所で全部しているところが多い。 一人ですべてやる人もいれば何人も雇っていて一つの工場で何から何まで全部こなす所もある。この仕事は車の外科医みたいなものだが田舎の医者は一人で何でもしていることが多い。 十万人ぐらいの街になると総合病院があって、その中には20から30の専門科に分かれている。そして地域ごとに有名なエキスパートがいる。肝臓ならどこそこのA先生が一番だとか、膵臓ならあそこのB先生とかがそれである。 今我々の業界では何故医者のようにならないのだろう。医者より大分頭が悪い人が多い(私も含めて)のも一因だろうけど。お客さんはバカじゃないし、今までせいぜいあそこの店は安いとかあそこは塗装が上手だとか、あそこは会社が古くて大きいから安心だとか、ディーラーの指定になって下請けをやっているからきっと大丈夫だろう――――ぐらいにしかお客さんは見てくれなかった。 それだけレベルの低い業界だと言われればそれまでの話なのだが、まず現実問題として広い世のなかで、開業するのに何の免許もいらないと言うのが問題だ。きっとこの業界くらいのものだろう。 恐れ多くも人の命を乗せて100キロ以上のスピードでぶっ飛ばす車を修理するのに何にも免許資格がいらないってんだから笑っちゃうよ。国土交通大臣はこのことは知っているんだろうか。車検工場を経営しょうとしたらまず整備免許が必要だ。 板金工場は整備工場よりもっと激しく車体を切ったりつないだりバラしたりするのに国土交通省だけで無く、多量のシンナーを使うのに消防署にも保健所にも届出はいらないし、どこにも誰にも報告すらも必要ない。 税務署は日頃からよく監視しているようだが目的は別の所にあるようだ。したがって開店するのは修理の腕がよければそれだけでよい。ガソリンタンクを脱着する。エンジンを全部とり外してしまう。足回りをばらばらにする。 お客さんが見ていたら手をかざすだろうと思えることを平気で毎日しているのだが誰も何も言わない。車検をやってすぐにブレーキが利かないで事故ったとしたら大問題になるが同じことが板金工場で起きてもおかしくないのだが、問題になったケースは今まで無いし聴いたことも無い。 自己責任といってしまえばそれで終わりなのだろうが関係省庁から保護されているのか無視されているのか良く分らない。きっと後者であろうと思うのだがやりやすいのも確かだから誰もみだりに変な運動もしない。 時々年寄りの社長さんが雨後の竹の子みたいに出来る新しい工場にお客を奪われるのを嫌ってその筋に直訴する事があるみたいだが、おおかたの反応は冷ややかなものだ。 25年くらい前に塗装工場が爆発して5人くらい死亡する事故が山口県の山口市でおきたがそのときだけ消防署が騒いだけれども喉もと過ぎれば又何にも規制はなくなるものだ。車体整備免許と言うのがある。 国家試験で国土交通省がやっているのだが、何の役にも立っていない。受験しても50パーセントが落ちる結構難しい試験なのだが、たとえうかっても何にもならないので車体整備士が全員持っているわけではない。 何の役にも立たないが試験だけは昔からやっている。何の為に試験をやっているのか分らない。きっと受験料を集金する為だけにしているのだろうと思える。 せめて開業するのに車体整備免許ぐらいは持つことを強制すべきとか思ったりするのだがカーコンビニを始めるのには今の所やる気だけしか必要ない。だからできすぎてしまって共倒れする所がおおくあるようだ。 いきあたりばったりで先のこと――よく考えない人が多いからなぁこの業界は、、、、、、、、人のことは言えないか! |
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