コラム

83 外車は要注意“

対向車が時々パッシングしてくる事は前からあったのです。私の愛車である赤いホンダの軽四輪で爽快な気分でドライブしていたときのことだ。日が沈んだばかりの夕方の空気はとても好きだった。

すぐ前を大きくて長くて黒い外車が走っていた。何にも考えずその後ろをるんるん気分でついて走っていた。その外車が急にブレーキを踏んだり又、急加速したりを二回位繰り替えしていたがしばらくして急加速して走り去ってしまった。

私はさすが外車はパワーがあるなぁと感心していた。前に誰もいなくなったので益々爽快で少しスピードアップしてしばらく走っていたらさっきの外車に又、追いついてしまった。

そのまましばらく後続して走っていたが突然外車はセンターラインをまたぐような形で斜めになって止まるや否やドヤドヤと6人の男が降りて私の方に走り寄ってきた。

いきなり「このがきゃーええかげんにさらせぇ」とか怒鳴ると私の車のドアをあけると私を引っ張り出して6人で私の顔面をボカボカと殴る、蹴るで袋叩きにされて、私はその場で失神してしまった。

どのくらい時間が経ったかわからない、、、、、、、、年輩の女性が私を揺り起こしてくれていた。あちこちが痛い、目がよく見えない、どうも口から血が出ているようだ。私は何がなんだか分らなかった。

とりあえず道路に寝ていても仕方がないので痛い体を引きずって車を広いところに移動してそのまま又、失神してしまった。まる一日以上車の中で寝ていた。土曜の夜にやられて起きたのは月曜の朝だった。

飲まず食わずでずっと寝ていた。目が開かない。バックミラーで自分の顔を見ると四谷怪談のお岩のようになっていた。情けなくなってきた。涙が湧いてきたので誰にも会わないようにして家に帰って寝た。

会社には階段から転落したので今日と明日は休ませてくれとTELしておいた。家族にも酔ってどこかに落ちたようだと言っておいた。心配するかも知れないと思ったからだ。

それにしても何故私は袋叩きにあったのだろう?。あの男たちは大きな外車に大勢で乗り、白っぽい服を着ていたから多分ヤクザに違いない。そういえば車のナンバーは河内ナンバーであったのを思い出した。河内のヤクザにやられたのだとやっと分った。

しかし何故殴ってきたのだろう。河内のヤクザは岩国のヤクザよりかなり気が短いのだろう。私が彼らに何か失礼をしたか?と考えたら、きっとその前の行動からして私のヘッドライトがまぶしかったのではないかと思った。

そういえば私の車は以前に事故ったときは右のライトのあたりをぶつけたのだった。駐車場に行って自分のライトを調べてみた。ライトの光を壁に当ててみると右側の焦点が以上に高い。

これではあのヤクザたちも眩しくて当然だなーと思った。外車が黒いので反射しないから分らなかったのだ。一周廻って車を見たがどこも凹んでいない。良かった、損害は打撲だけだ。

これなら初診料の1000円だけしかかからないし、もうオロナインを塗ったから三日もすれば元どうりに治る、、、、、と思って安心した。

しかし三日もしたら真っ赤になって腫れていた顔が青くなってその上、殴られたところが黒くなってしまって、なんだか幽霊みたいな顔になってきた。

フラフラと、ちからなく歩いていたら会社の女の子から「ひろみちゃん、死相が出ているわよ、大丈夫?、、、、」と言われ、上司からは「何をやっちょるんじゃ、お前は」と怒られた。

でも私が悪いんじゃないぞ。私の車の修理をした工場がちゃんとライトの調整をしてくれなかったから私がこんなひどい目にあったのだ。「ちくしょう“あの修理工場のオヤジめ、今度あったら慰謝料を請求してやろう。

払った修理代は、半分返せと言ってやろう。グズグズ言ったら絶対訴えてやると脅してやるぞ。今に見ていろ、あのやろうめ”、、、、、、、、、、、、、

                              次へ行く

コラム一覧に戻る


Copyright (C) 2001 : sanko jidousya co.,ltd All Rights Reserved.