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ばっくれ得 事故がおきて鈴木君は車をぶつけられた。後ろのバンパーの左側の角の所が凹んでいる。車を修理工場にもって行った。修理工場には相手の保険会社名と相手の住所氏名を告げておいた。 彼は後ろからぶつけられたのだから当然全額弁償してもらえるものと思っていた。ところがである。三日たったある日相手の保険会社の担当と言う人から事故について話を聞きたいから、ちょっと会ってくれと言う電話があった 話の目的は事故の調査と言う事なので快く応じて保険会社の担当と言う人に会った。そして下図のような絵を書いて説明をした。 そのとき保険会社の人は追突された時鈴木さんの車はどの辺にいたかをしつこく聞いた。鈴木君にしてみればどうせ追突だから交差点の中だろうが外だろうが全額弁償してくれる事には変わりない と思っていたので担当がE点と言っているらしかったがそれは違うと言い返したもののC点であると強くいう必要もなかったので、、、、、、、 と言うのは現場にはランプなどの割れたカスなどが散乱していなかったので事故当事者ですら事故現場がC点なのかD点なのかE点なのか良く分かっていなかった。 おまけに他車の交通の邪魔だからと言うので両者ともすぐに前方左側によって停車した為あとから考えても正確な事故地点の断定は出来ないでいた。 両者とも現場では「追突だから」と言う事で二人とも異論はなかった。後から変な事を言い出したのは保険会社の担当である。「たしかにE点では後ろから追突する事は難しいので違うでしょう。といってC点は皆さん加速している所なので追突するわけがない。 となると一番それらしいのは横断歩道上であるD点あたりが客観的に見て普通に追突がおきやすいと思うのですがどうでしょうねぇ」担当はこんな事を言い出した。 まぁ鈴木君にしてみればどうせ修理代は全額払ってくれるのにくだらないことを調査するものだ。保険会社と言うものは暇なやつがいるものだと思ったりしたが、とに角修理代を払ってくれる相手ということなので話は聞いて、知っている事の説明はした。 そして二人の話し合いで事故はまちがいなくD点であり横断歩道上であると決定した。そしてその保険会社の担当が帰り際に「一応あなたの保険会社にも事故があった事を言っておいたほうがいいですよ手間がかかってはいけませんからねぇ」 と言っていたので鈴木君は電話で自分の保険会社のいつもの代理店の人に、追突された、、、そしてその場所は交差点の横断歩道上だと説明しておいた。 代理店の人はなぜ相手の保険会社の人と会う前に自分の方に話をしてくれなかったかと言ったがどうせ修理代は向こうから出るのだからこっちの保険には関係ないので言わなかったといったら代理店の人は「そうですかそれならいいですが」と言って電話を切った。 そして一週間がたった。ある日代理店から鈴木君の所へ電話がかかってきて相手の保険会社から「事故は交差点の中で起きたのだから7:3でどうか」と言う話が来ているという電話があった。 7:3とはどうか?なぜぼくが30パーセントも悪いのだと鈴木君は怒って代理店の人に言い返した。「鈴木さん怒らないで聞いてください。向こうの話では鈴木さんが7割悪いっていっているのですよ。」 「何だって?何言っているんだ追突じゃないか」「それが交差点の中での側面衝突なので追突じゃないって相手は言ってます。」「事故は交差点の中じゃないんだ」「でも相手の保険会社の人に横断歩道上で追突されたって言ったんでしょう?」「うん言った」 「それが今問題になっているんですよ」「問題になるって言ったって追突されたのは事実であって交差点の中だろうが外だろうが全部弁償するのが当たり前じゃないですか?」 「単純追突ならそうなのですが相手は追突じゃないって言っています「鈴木さんの右折、相手の左折による衝突事故だといっています。」「そんな、、、、」「右折と左折による事故ならたしかに7:3ぐらいが普通で鈴木さんの方が過失が大きいと言う事になると思います。」 「えーーーーまじ?じゃ修理代は全額払ってくれないんだ」「多分そうなると思います」「そんなバカな。第一、事故現場で御互いが追突事故だって確認したんだぞ」「どうもその相手がそう言ってないようです」「じゃどう言っているの?」「良くわからないって」 「そんなバカな。まぁぼくが相手に電話してみよう。あいつ!!とんでもないやつだったんだなぁ」「そうしてください。払ってもらうのと、あげるでは大違いだ。まぁ損害額が大きくないから私は鈴木さんが良ければどっちでもいいですがねぇ」「どっちでもいいことはない。 全部払ってもらえると思っていたのに何で僕が相手の7割を払ってやらなきゃならないんだ?」鈴木君は相手に電話していた。大きな声で相手に言った。「追突だから早く修理代を払ってくれよ」しかし相手は静かに二言三言だけ言った。 「この件に関して私は保険会社に全部任せています話し合いは保険会社の人とやってください。」「何言ってんだ保険会社の奴らありもしない事をでっち上げて7:3とか分けのわからない事を言っているんだぞ」ここまで言った時に電話は切れた。 鈴木君は怒っていたが相手は話し合いには応じないと言っていたので又代理店の人に電話した。すると代理店は「現場で二人に約束が有ったのならきちんと最後まで守るように言ってみましょう。又そうでないならこちらで過失割合について話し合いますがどうしますか?」 と聞かれたので「ちょっと二三日まってくれますか?」「いいですよ、早くしないと修理工場の人が困るかもしれないので出来るだけ早く返事をくださいね」「分かりました」鈴木君は考えた。どうして保険が全部おりないのだ。 あの時追突だと二人とも確認したじゃないか。とぶつぶつ言っていたが「そうだあの保険会社の奴が調査だと抜かしやがって変な誘導尋問で事故現場は横断歩道上と言う事になってしまったのだ。 あれがそもそも間違いの始まりだ。「相手が事故について今頃になってよくわからないなんて抜かしやがるのだったら俺も現場はC点だったと記憶していると言ってやろうかなぁ」と思った。 次の日修理工場から車が直ったので取りに来るよう電話が有った。ついでに修理代も全額払ってくれるよう言ってきた。鈴木君は驚いた。修理工場は全額払ってくれと言っている。最初は全額払ってもらうはずだったのである。 いつまでも代車の軽四輪に乗っていても仕方がないと思ったので彼は泣き泣き全額払って自分の車を引き取って帰った。そして又自分の代理店の所へ言って話をした。 修理代は全額払ってきた事も言った。そうしたら代理店は言った。「全部払ってもらう事は今となっては無理なのですが5:5でどうですかといってきているのですがどうですか?」 「やれやれ10:0とおもっていたらいきなり7:3になりこんどは5:5かね。一体どうなっているのかねぇ。相手の保険会社は?」「皆良く分からないまま話を進めているからこうなるのだと思います。 しかしこの5:5の話に乗らなかったら交渉決裂に成ってしまうかもしれませんよ」「交渉決裂になったらどうなるの?」「自損自弁と言う事になるかもしれません」「自分の車はじぶんでなおすということ?」「そうです」 「それってもう目茶苦茶な話しだねぇ」「仕方ないでしょう」「仕方なくない!!ゴネ得という事がほんとに有るなんて、、、クソ!!」「とりあえずこの示談書に判をしてください」「押せって、これ白紙じゃないですか」 「仕方ないでしょうまだ決まってないんですから」「それとも決まったあとから印鑑押しに来ますか?」「まーどっちでもいいけど5:5以上譲らないでください。でないと腹が立つ」5:5以上ならいいのですね?」 「いいのは10:0が1番良いのだけれど今となってはそれはもう無理だろうから5:5以上なら仕方ないです。修理工場に払ったお金、早く貰いたいですから。」「分かりました努力してみます」更に一週間がたったある日6:4で話がつきそうなのだけれど、どうかという電話があった。 どっちが6なのかと聞いたら相手だということだった。「60パーセントはらってくれるということ?」「そうです」「なら示談して良いよ。よろしくお願いします」彼はなんだか割り切れないような気分になったが事故のことは早く忘れてしまいたいので10:0より大分ずれたけど6:4なら仕方がないと思って納得した。 そして小さくつぶやいた。「今度俺が追突したらゴネってやろう、、、、、」 |
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